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丸ビルde歌舞伎 [観]

「歌舞伎体験イベント~丸ビルde歌舞伎~」ってなんぞや?
と、思いつつ、中村莟玉(かんぎょく)さんがご出演ということで、
チケットを購入。

よくわからないまま、行ってみましたが、すごく面白かった。
高砂屋一門。話し上手の見せ上手。
練りに練った内容でした。

内容は
一.歌舞伎レクチャー 中村梅乃ほか
二.歌舞伎舞踊『玉兎』(素踊り)中村莟玉
と、聞いていたのですが、もっともっと盛りだくさん。
まずは莟玉さん登場。その後は、中村梅乃さんにバトンタッチ。

動画を見つつ歌舞伎の歴史の解説から始まり化粧方法、約束事、様式美など梅乃さんによる名調子で丁寧な解説の後、梅寿さん、梅秋さん、裏方さん(衣装方、床山、小道具方、附け方)が登場。
梅寿さんをモデルにして実際にお姫様の着付け。
打掛の後、着崩れないように直に縫い止めるのは能と同じだなぁと思いながら見る。
その針&糸を自分の後ろ肩に止めて糸を横に流す着付け方さんや、床山さんが最後にかつらを被せて後ろで紐を締めて仕上げに両側を櫛で整え、その櫛を自分のお団子にスッと刺す姿がカッコイイ!職人の仕事その技、大好き。
小道具さんの「和傘のロクロというジョイント部分を作る職人さんが、日本にもう一人しかいないのです。」という話も興味深かった。唯一の職人はさんは高齢だそうなので、その技術の伝承も課題ですね。

登場の裏方さんはみなさんまだお若く現役バリバリ。
表に出る人だけでは成り立たない、こうして厳しい世界に飛び込んで頑張る人たちがいるからこそ成り立つ伝統芸能。
次の世代にその技術を伝えて行って欲しいなと思いました。

着付けが終わるとさらには客席降りをして中央通路で寸劇まで。
いや〜通路側に座っててよかった(自由席)
間近に見えて目福。目福。
10分の休憩の後は莟玉さんによる素踊り。可愛くユーモラスでほのぼの。

最後に全員が登壇して、莟玉さんが結びの言葉。
「今から撮影OKです。動画も構いません。SNSに投稿してください。ハッシュタグは『#丸ビルde歌舞伎』。『で』はおしゃれなdeです。」とのことだったので、急いで電源オンにして撮影。
焦ってブレまくりwww
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1時間半はあっという間。
本舞台も良いけれど、この企画は歌舞伎をより身近に感じられるアイデアが一杯でした。

また、開催してください!

***
余談:
★ロビーでは小道具の展示もありました。
音響用の小道具を実際に体験できるコーナーも。
大きな貝の背ををこすり合わせると、カエルの鳴き声になるのです。
貝を手のひらに密着させてこすり合わせると、その音は低くなりウシガエルの鳴き声になるの!
本当にそうなって驚き。(『上手です』と褒められたよw)
面白かった♪
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★レクチャーの最初の映像は、今年の「浅草新春歌舞伎」の連獅子(松也さんと莟玉さんによる)から始まりました。ちょうど観に行ったのでちょっと感動。
その小道具も会場ロビーに展示されておりました。
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★クジラの親子
大きなクジラの親子の大道具は丸ビル1階に展示されておりました。
この大きさ。普段はどこにしまっておくのでしょう。
かなり大きいのです。
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★才能を育てる
伝統芸能は親から子へ受け継ぐことが多いですけれど、莟玉さんは一般家庭のお子さん。
歌舞伎好きが高じてこの世界に入った人。
子供の頃から目をかけ、部屋子さんから養子にされた四代目梅玉さんの懐の深さも素敵だなと思います。
家系図をみると、今までも養子さんがいらっしゃる一門。才能ある人に門戸を開く高砂屋さんの考え方は風通しが良いなと思います。
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