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ビロクシー・ブルース [観]

ニール・サイモンの自伝的戯曲。
「ビロクシー・ブルース」をシアタークリエで観てきました。

1943年。基礎訓練を受けるためにミシシツピーに向かった新兵たちの話。
ここで訓練を受けた後ヨーロッパか太平洋側へ配属される。
要はドイツか日本と戦うことになるということ。
時代背景は第二次世界大戦中で厳しいけれど、でも、喜劇。
場内、沢山の笑いが起きます。

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若者たちは兵隊になりたいわけではない。
本当は作家になりたかったり、歌手になりたかったり。

常に観察し回顧録を書く、客観的な主人公ユージンと
自分から物事を難しくしてしまう主観的なエプスタイン。
特に印象的なセリフは、エプスタインの「苦労がなかったら一日は朝の十一時で終わっちゃう。」
苦労ないほうがいいけれどねーw
火中に飛び込んで解決出来たら確かに生きてるって気がするかなー。
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出演:ユジーン:濱田龍臣、エプスタイン:宮崎秋人、カーニー:松田凌、セルリッジ:鳥越裕貴、ヘネシー:木戸邑弥、ワイコフスキ:大山真志、デイジー:岡本夏美、ロウィーナ:小島聖、トゥーミー:新納慎也
作: ニール・サイモン
翻訳: 鳴海四郎(早川書房/2009)
上演台本・演出: 小山ゆうな
美術: 二村周作
照明: 勝柴次朗
音楽: 木原健太郎
音響: 尾崎弘征
衣裳: 半田悦子
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今回はe+の貸切公演でアフタートークショー付
演技ではなく素の出演者4人の姿が見られたのだけど。
なんだか先程までの役が当て書きの様に思える程、それぞれの役に似ている感じでした。
特にエプスタイン役の宮崎秋人さんがシニカルな感じ(の役作り)で面白いなぁ〜と思いました。
役への落とし込み方も半端ではなく、これから注目したい人だと感じました。

そして、超可愛かった子役時代から全国区の濱田龍臣さん(ユージン役)は、すっかり大きくなって大人になっていてびっくり。子供時代と顔つきが変わってないのでソフトなイメージです。
トークショーでの、舞台中に出てくる『人生最後の7日間で何をしたいか』という問いに「やっぱり両親と一緒にいたいかな」と言っていて、すごく仲良しなんだなぁとほのぼのとした気持ちになりました。

カーニー役の松田凌さん。歌は好きだが特に上手くなくて普通という役だったけれど。
いや、上手いでしょうあれは!
良い声だし。

結構、刺さる台詞が多かった今回の脚本。
原作も読んでみようと思いました。
***
余談1:
全然関係のない話ですが、
何気なく歩いていて気が付いたのですが、
有楽町駅近くの歩道のブロックの一つに桜の花(なんて言えばいいのかな窪み?)があった。
あれ?これは何百個に1個あるとかそういう話?と、歩きながら他にもあるのか注意深く見ながら歩いたけれど他には全然ない。

ふと目が合うように、その1個に目が行った。あれはなんだったんだろう。

余談2:これまた表題とは関係がないのですが、
アフタートークショー時に突然色々思い出して、心臓バクバクしたことをちょっと書いてみたいと思います。
以下、あくまで自分の記録となります。

15年前にクモ膜下で突然亡くなった歳の離れた知人、観劇仲間のOさんは働きながら大学院に籍を置く人でした。
めちゃ賢く、爽やか&穏やかな気持ちの良い子で、こんな若者もいるなんて日本の未来も明るいねーなんて思うほど。
本日11日は彼女のお誕生日でした(それを思い出した)。
記憶の中の彼女はいつまでも20代の若者だけど、生きていたら...42歳か。

あの頃、「留学を考えている」という彼女の夢を聞いたことがある。
生きていたら、きっとそれも実現させて、家庭も仕事も大事にして、さらに素敵に生き生き輝いていたに違いない。

最後に会ったのは冬で、新宿で彼女を含む4人で舞台のDVD観てご飯食べて(そういう個室居酒屋さんがあったの)
「じゃ、次回はクリエでね!」って新宿駅の改札で別れたのでした。
次回会う約束はOさんとこの日のご一緒メンバーCさんが同じ回のチケットを取って舞台を観る日。演目はなんだったっけかなぁ「レベッカ」だったかなぁ。
まさか、あれが最後になるとは思わなかった。でもみんな笑顔で手を振りながら駅の改札口で別れた。(笑顔だったのは救いだなぁ)

それから2ヶ月も経たない春3月に訃報を聞き、呆然。
そしてその後、約束の日。
シアタークリエのその席には彼女のお姉さんが着席(彼女の写真を携えて)
多分遺品の中にチケットを見つけたのでしょう。
その席を手配したのはその席のお隣に座るCさんで、
私は自分で手配したので、もう少し後ろの席だったのだけど。
Cさんがクルリと私を振り返り「お姉さんだって!」と口パクで伝えてきたのでした。
「えー!Oさんのお姉さん!?」とびっくりしたところで、ちょうど暗くなり開演。

そうだあの時ってここ、シアタークリエだったんだ!
って思い出したのでした。
それがご縁で、お姉さんとも知り合いとなり、
こんな奇跡的な姉妹っているのね!と思うほどまたお姉さんも素敵な人でした。
お姉さんはその後ご結婚で地方へ。
お子さんも出来、そのお子さんにOさんの名前から一文字取って名前をつけたと聞きました。
もうその子も大きくなったことでしょう。
Oさんだったら、姪っ子LOVE!で、めちゃくちゃその子を可愛がったと思う。

Oさんのお誕生日の日に再会の約束の場所に来たとはね。
その偶然に気づくと、色々な記憶がぐるぐるとすごい早さで蘇ったわけです。
記憶の不思議。

もっと色々話したかったね。
聞き上手、話し上手だったな。

柔らかく微笑んで「お久しぶりですね!」って言う声が聞こえてきそう。
もしかして今日は近くにいたのかな。

人が旅立つ原因は、歳をとったからだけでない。戦争だけでもない。病気だけでもない。
目の前にいる人がいつまでもいるとは限らない。

今、大切にしたい人が目の前にいるのなら、その時間を大切に。
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