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日曜美術館 [壷]

Eテレの番組、「日曜美術館『完璧なやきものを求めて 板谷波山の挑戦』」が面白かった。

最近、絵や彫刻より焼き物に興味があるのです。
手に取って実際使える。飾りではない芸術であるところが良いなと思う。(貴重なものは実際には使わないんでしょうけどね)

一番好きな陶芸家は、素朴な雰囲気の中に上品さと温かみを感じる尾形乾山なのですが、板谷波山を知って、美術館などで実際見ることを重ねていくと、波山をもっと知りたいという気持ちになっておりました。
そんな訳でこのテレビ番組は壷にビシッ!と来ましたw

その焼き物は、ツルッとしているのに描かれた絵柄には立体感を感じ、緻密に描かれた模様は柔らかい色合い、そして全体的にその上にふわりと薄衣をまとったような白い透明感がある。
一体これどうやって作っているんだろう??
と、見れば見るほど不思議に思っていたのですが、この番組で解決。

器の素地に彫刻を施し、彩色し釉薬を塗って焼いておりました。
そうなんだ。一回彫っているので表面がツヤっとツルッとしているのに立体感を感じるんだ。

***
幼い頃から父親の影響で絵や茶道具に親しんだ波山は東京美術学校(現藝大)の彫刻科で学んでおりました。ちなみに恩師は高村光雲(高村光太郎のお父さん)。
波山は彫刻科で学んだ後、石川県工業学校の教師となります。彫刻科からその後陶芸科の教師となった波山は、そこで世界の陶芸の技法についてアンテナを張り勉強し、研究。
教師の職を辞した後、東京・田端に窯を作り陶芸家として91歳で没するまでひたすらその道に精進したとのこと。
田端。山手線内にありながら、現在ものどかな場所。
そこにはかつて多くの文人が住んでいたことは知っていたけれど、波山がここに窯を構え、60年も住んでいたとは全く知らなかった。

出来上がったものだけでなく、それに至る過程を知るとさらに面白さが増す気がします。
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