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沙羅 [撮]

昨年六月の自分の日記より
「京都、東林院の沙羅の花が咲く庭の特別公開のニュースをネットで知る。
沙羅の花は1日で落ちてしまうという。一日花。
苔の庭に落ちる 椿を繊細にしたような白い花々を見て、何と儚い花なんだろう。と、思った。」

が、なんとこれは本物の沙羅の木ではなく、実は夏椿と知る。
えーーーー!
インドの高地原産の沙羅は日本では育たないため、昔から代用として寺院などに植えられたものだそう。
そりゃ椿に似ているはずだわ。椿だもの。

お寺さんに多いのは、沙羅双樹(双樹とあるからには複数だわね)が、お釈迦様が入滅の際に周りにあって、仏教の三大聖樹の一つと、言われているからですかね。←検索結果の後の推測ですが

「平家物語」の冒頭のあの
「祇園精舍の鐘の声 諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし 猛き者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ(以下省略)」は、
短く簡単に言えば「何事も常に変化する=変わらないものはない」ってことかしらね。

さて、この平家物語の「娑羅(沙羅)」はどちらの花の事だったのだろう。
沙羅の木か日本で沙羅の木と呼ばれる夏椿を指すのか。
その花の落ち方は全然全く似ても似つかないだろうな。

と、思ったのは、本物の沙羅の木の花を本日見ることが出来たからです。
日本でもあるのですよ。もちろん温室内ですけれどね。(いきなり本題です。振りが長すぎたねw)

今、春バラのシーズンでして、
今日も昨日と同様、一時的に雷雨の予報が出ていたのですが、その予報がはずれそうだったので、チャンス!とばかりに、
急いで仕事帰りにダッシュで新宿御苑に行った際、温室の入室に滑り込みセーフで間に合いまして
バラの前にこちらをさらっと見て回ろうとした時に見つけたのです!
IMG_8445-1.jpg
沙羅(双樹)の木。そして、その花!
今、ちょうど開花中でした。
本物の沙羅の木は結構ひょろっとしていて、大きくて、花も随分上に咲いておりました。
小さな星型の小さな花がフワフワっと咲いていて、
夏椿と全然別物。似ても似つかなくて、衝撃!

なんで、代用が夏椿なの?
その花。真逆に近い印象よ!
葉の形とか木肌の質感が似ていたとかそういうことかしら?
平家物語(作者不明)が書かれたのが鎌倉時代だとして、本物の沙羅を見た事がある人は国内に居なかったと思うのよね。似ている、似ていないをジャッジする人もいなかったでしょう。
想像するに夏椿を「これ、沙羅双樹でーす」とどこかの寺で紹介し、それが広まった感じ?
ううむ。
実物見てその似ても似つかない姿に、まだちょっとボー然。

でも、見る事が出来てよかった。
本物の沙羅の木があるのは、『新宿御苑』の温室と、あと滋賀の『水生植物公園みずの森』。
調べたところ日本にこの二箇所しかなく、まして、その花が見られた。
うんうん。良かった良かった。
(他にも沙羅の木がある植物園はあるのかもしれませんが、花が咲いたとあるのはこの二箇所で、それ以外はヒットせず。)

高いところに咲くので望遠で撮ってからの切り抜きで、ちょっと画像が粗いですが
これが沙羅の木の花。
IMG_8630.jpg

そして、その近くにこれまた三大聖樹の一つ「無憂樹」の花が咲いておりました。
IMG_8440.jpg
これは割と下の方だったので撮りやすかったです。

三大聖樹。もう一つの「インド菩提樹」も近くにあったのかもしれない。
ここまで揃えたらきっとそうでしょう。
今度行ったら入念に探してみます!w

***
追記:
検索していると「本物の沙羅の木はこれです」と紹介された記事の中にも似ても似つかない別の植物の画像があったりしてw
えー。いや。それ違うでしょう。多分他の国がやはり代用としている木の画像なのだと思う。

情報が全て本当だとは限らないと知る機会ともなりました。
やはり何事も本物に触れる事、自分で確かめる事が大事。

「百聞は一見にしかず」なのだと実感。

***
MEMO:
新宿御苑:https://fng.or.jp/shinjuku/
水生植物公園みずの森 https://www.seibu-la.co.jp/mizunomori/
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