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新版画 [壷]

大正中期に生まれた『新版画』という浮世絵のジャンルを映画好きの友達に数年前に教えてもらって知ったのですが、
あ〜なるほどと思うものがありました。
構図、色、深み、遠近、光と影、画面から伝わるもの
四角の枠の中にギューっと凝縮されて
音こそないもののその切り取り方は映画との共通点を感じました。
映画好きのお友達がそのツボにハマったものうなづけます。

その時に教えてらもらった絵師川瀬巴水の名は深く刻まれて
観る機会を得ると、観るたびにその作品の中に日本の原風景の魅力を教えられることとなりました。
精密に描かれているだけでなく、どこか優しい風情がある。

多分惹かれる要素はそれぞれ違うのだと思うのですが、
私は巴水のその絵を形作る「線」に惹かれます。
あと、伝わりにくいかもしれませんが、絵に気温、体感というべきか?を感じるところも

と、前置きが長くなりましたが、
夕暮れの銀座に灯りがともり始めると、そこには昼間と違った風景が見られます。
すると気がつかなかった場所に気がつくと言うのでしょうか。

今日通ったその通りに版画専門店がありました。
前通った時は全然気がつかなかったw
周りが暗くなることによって浮かび上がって見えたと言うべきでしょうか。
IMG_6547.jpg
新版画って美術展で観るだけでなく、本物はどこで扱っているんだろうと思っていた答えが出た日でした。
***
追記:
通りががりに見つけたその版画専門店こそが、新版画の版元さんでした。
新版画の生みの親とも言うべき、故・渡邊庄三郎さんの店でした。
当時は渡邊版画店という店名だったようです(現在は渡邊木版美術画舗)。
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